【初のサウジアラビア訪問】イラク首相が関係強化を図る

イラクの首相「ムスタファ・アル・カディミ」は、サウジアラビアへ初訪問し、指導者と会談をしました。これはサウジアラビアとの経済や安全保障上の緊密な関係構築を目指したものとされています。

2021年1月、爆発物を搭載したドローンがリヤドの王宮に墜落した事件がありましたが、この事件は隣国のイラクから発射されたものであるとアメリカのメディアが報道していました。
これに対してサウジアラビア政府は、リヤドの王宮への攻撃について詳細を公表していません。

しかし、このニュースにより、サウジアラビアに警戒感を抱き始めたきっかけになりました。6年前、連合軍が軍事攻撃を開始したイエメンにて、イランと同盟関係にある反政府勢力フーシ派から頻繁にミサイルやドローンによる攻撃を受けていた事実があるからです。

イラクでは、武装グループによる攻撃の責任を主張していますが、安全保障の専門家によると、さらに強固なイラン支援の民兵組織の隠れ蓑だと主張しています。
これに対しムスタファ・アル・カディミ首相は、「専門家の主張は真実ではない」と発表し、今回の攻撃はイラクから行われたものではないことを主張しました。

そして今回の初のサウジアラビア訪問にて、安全保障面で「イラクがサウジアラビアへの攻撃の発射台になることはない」と約束を交わすことに繋がったのです。

サウジアラビアの指導者とムスタファ・アル・カディミ首相との会談は数時間に及び、記者団に対し「サウジアラビアへのいかなる攻撃も許さない」と表明しました。

ムスタファ・アル・カディミ首相は、サウジアラビア大統領と個人的に親密な関係にあることは知られた話で、リヤドやワシントンとの間で巻き込まれることが多いバグダッドでは、事実上、外交的な綱渡り状態をしていることになります。

イラクとサウジアラビアの経済協力が進展

安全保障に関する話し合い以外にも、金融、商業、経済、文化、メディアの分野をカバーする5つの協定にイラクとサウジアラビア共に署名をしました。

またムスタファ・アル・カディミ首相がリヤドを訪問した際には、上級閣僚の代表団とともに、サウジアラビアとの貿易・経済協力強化を求めています。

さらにイラク経済への投資を促進する目的で「王国からの貢献」という名目にて、推定資本金30億ドルの共同基金を設立することに両国合意しています。その結果、サウジアラビアの対イラク投資は、約5倍ほど増加する見込みのようです。

そしてイラクは、サウジアラビアに次ぐ第2位の生産国であり、世界の石油市場の安定性を維持するためにエネルギー協力を維持することにも合意し、両国の関係改善に大きく前進しました。

ムスタファ・アル・カディミ首相は、エネルギーや農業に対するサウジアラビアの支援を含む外国投資の迅速な実施を目指していることから、今後さらなる経済協力が発展ことでしょう。